「高山」製の鼈甲先撥は真っ直ぐで曲がっておりません。昔からある木撥・象牙撥はもとより、鼈甲先撥においてもセンターが徹した製品が当然で、杓文字の様に曲がった製品は使いにくく撥とは言えません。撥の中心と左右が対称であることは撥の基本原則です。
昭和35年以降の邦楽器ブームによって、年季明け以前に独立した職人や他業界からの新規参入者が乱立し、未熟な技術によって造られた粗悪品が多く出回るようになりました。
高山製撥はこれらの粗悪品とは一線を画す、職人の熟練した技が光る撥です。高山では長年の経験から編み出された独自の製法により鼈甲を真っ直ぐで使いやすい撥を製作しております。